相続財産の中に預貯金等が少なく不動産が含まれる場合では、相続人の誰かが不動産を取得し、その他の相続人が預貯金を取得する、という単純な分割方法では相続財産の額に不公平が生じることがあります。
その際に有効な分割方法が、換価分割と呼ばれる方法です。
この分割方法では、不動産等を売却してその売却金額を分け合うことになりますが、その際、譲渡所得税がかかる場合とかからない場合があります。
それぞれの違いはどのようなものなのでしょうか。
以下で詳しく見ていきましょう。
換価分割において譲渡所得税がかかるケース
一般的には、換価分割においては譲渡所得税がかかることが多いです。
換価分割を行う際には、被相続人が所有していた物件にもう居住しない、などの理由があることが多く、このケースが当てはまることが多いからです。
換価分割において譲渡所得税がかかるケースとしては、居住していた不動産に相続人が同居をしていない等の場合です。
この場合には、被相続人から実際に換価分割において現金の相続を得た相続人に対して譲渡所得税が課税されることになります。
この税率は物件の所有年数によって異なり長期譲渡所得か短期譲渡所得かに分けられます。
そして、換価分割においては一度相続人の誰かが相続をして、換金後に他の相続人に分割することになりますので、贈与税はかかりません。
しかし、贈与とみなされないためにも遺産分割協議書に換価分割をする旨は必ず記載しておきましょう。
換価分割において譲渡所得税がかからないケース
一方で、譲渡所得税がかからないケースがあります。
それが、換価分割の利益を受ける相続人が被相続人と同居をしていたケースです。
この場合には同居していた相続人にとって居住用の不動産であるため、譲渡益が3000万円までの特別控除の範囲内となります。
この場合での換価分割においては同居をしていた相続人に関しては3000万円を超える譲渡益があった場合にのみ課税されることになります。
その一方で、同居をしていなかった相続人は譲渡所得税の課税対象になりますので注意が必要です。
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